こんにちは、キジトラです♪
現在、東京・上野の国立西洋美術館で開催中の
松方コレクション展へ行ってきました!
写真は西洋美術館の入口。
この看板を見ただけでもワクワクしちゃいます♪
国立西洋美術館開館 60周年を記念した
今回の展覧会。
西洋美術館の原点となった
松方コレクションの全貌を辿る特別展なんですね。
国内外に散逸した松方旧蔵の名作を楽しみながら
松方幸次郎がどのような思いで
西洋美術を収集したのか、
そして松方コレクションがどのような
運命を辿ってきたのか
よく分かる展覧会となっています。
<目次>
【松方コレクション展】基本情報
●会期:2019年6月11日(火)~9月23日(月・祝)
●会場:国立西洋美術館 ●住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7 ●チケット:大人一般 当日券 1,600円 ●開館時間:9:30~17:30 (金曜日、土曜日は午後9時まで) ●休館日:毎週月曜日、および7月16日(火)は休館 ●展覧会ホームページはコチラ |
松方コレクションとは
愛車は二頭立ての馬車。
川崎造船所の社長時代、松方幸次郎の自宅は、異人館の立ち並ぶ神戸のお屋敷街にありました。
華麗な馬車でさっそうと出勤する社長は、しかし、遅刻しそうになっている従業員を途中で乗せていくなど、気さくでおおらかな人物だったそうです。#松方展 #国立西洋美術館 pic.twitter.com/ZEpxvHuHYA— 松方コレクション展 (@matsukata2019) 2019年5月24日
こちらの優しいまなざしをしている
ジェントルマンが松方幸次郎(1866-1950)。
明治から大正にかけて活躍した実業家で
松方コレクションの生みの親です。
川崎造船所(現・川崎重工業)の
社長だった松方幸次郎。
当時は第一次世界大戦が勃発してまして。
船が売れるで!と確信した松方幸次郎は
戦時下のヨーロッパに自社の
ストックボート(既製貨物船)を売り込み、
巨額の利益をあげたそうなんですよ。
この資金を元手に松方幸次郎は
ヨーロッパ各地の西洋美術を収集していくんですね。
松方幸次郎は画廊で
「ここからここまで頂こう。」
的な感じで購入していたそうなので、
とんでもないお金持ちだったと想像できます。
こういうまとめ買いをしていたせいか、
松方コレクションは統一性がないとも
言われていたようです。
まあ、観る側としては、
いろんな作品を楽しめるのでいいんですがね。
松方幸次郎はわずか10年で
西洋美術の一大コレクションを形成し
ヨーロッパでも名をはせる大収集家となりました。
資金力と人脈がすごかったんでしょうねぇ。
キジトラがびっくりしたのは、
松方幸次郎ってモネ本人とも会ってるんですよ。
しかもモネのアトリエで。
おまけにモネお気に入りの睡蓮などの作品を
譲り受けたというのだから
よほどモネに気に入られたんでしょうね。
そもそもだ。
松方幸次郎自身は美術に興味が
あったわけではないんです。
なのに、どうして西洋美術を
収集するようになったんでしょう。
実は、当時の日本には
西洋美術に触れる機会がなかったんですって。
日本の人々に本物の西洋美術を見せたい!
という思いから私財を投じて収集を始めたそうです。
社会貢献の規模がハンパないな。
松方幸次郎が約10年をかけて
ヨーロッパ各地で収集した
絵画や彫刻はおよそ3000点。
コレクションの中にはモネから譲り受けた≪睡蓮≫や
ゴッホの≪アルルの寝室≫といった
そうそうたるメンバーが名を連ねています。
でも、悲しいことに松方コレクションは
金融恐慌や戦争などによって
バラバラになってしまうんですよね。
【松方コレクション展】混雑状況
松方コレクション展へ行くにあたり
キジトラが気にしたのは
いつ、どの時間帯に行くべきか?
すぐにでも行きたい気持ちはあったのですが、
注目を浴びる特別展なので、
始まってすぐは混雑しそう。
できるだけ特別展を
ゆっくりじっくり味わいたい
キジトラは来場者が少なめな日時を
狙っていくことにしました。
当日の混雑状況は?
キジトラが西洋美術館へ到着したのは
金曜日の午前10時50分ごろ。
開館すぐを狙った人が多いだろうし、
お昼時なら空いているのでは?
と予想しておりました。
西洋美術館内にある『カフェ すいれん』で
ちょっと早めのランチをし(美味しかった!)
計画通り、正午頃に松方コレクション展の会場内へ入りました。
会場内はほどよく混雑といった感じ。
一つの作品の前に人が群がるようなことはなく
ゆっくりじっくり観て回ることができました。
ただ、時間を追うごとに後からどんどん
人が入ってきていたので、
やはりお昼時を狙ったのはよかったのかも。
今後の混雑予想
夏休みに入るということもあり、
平日でも来場者は増えると予想されます。
メディアでも大きく取り上げられている展覧会ですし、
会期後半はもっと混雑すると予想されます。
ちなみに、西洋美術館は
金曜日と土曜日は21時まで開館しているので、
金曜・土曜日の夕方を狙っていくのもいいかもしれませんよ。
【松方コレクション展】見どころ&感想
では、実際に松方コレクション展で
感じたことなどを展示ルートに順じて書いていきます。
会場入り口前にて
デジタル推定復元されたクロード・モネ≪睡蓮、柳の反映≫
破損して発見されたモネの≪睡蓮、柳の反映≫を
AIがモネの睡蓮を含む作品を学習して
デジタル推定復元したものです。
特別展エントランス前に展示されていますよ!
※こちらは撮影可能でした。
プロローグ
クロード・モネ≪睡蓮≫ 1916
さっそく会場内へ。
入ってすぐに驚きが待っていました。
いきなりモネの≪睡蓮≫がお出迎え。
もう意表をつかれちゃった。
なんとなく後半あたりで会えるかなと思ってたのに。
何度も常設展で観ている作品だけど
やっぱり素敵ねぇ。
圧倒的存在感。
いやはや。
一気に松方コレクション展へ
引き込まれてしまいました。
実は松方幸次郎は日本に西洋美術の美術館を
つくる構想を練っていたんですよね。
その名も「共楽(きょうらく)美術館」。
なんと共楽美術館のデザイン画も存在しています。
中央に噴水があって左右対称な作りは
ヨーロッパっぽいデザインです。
もしも、金融恐慌や戦争がなかったら
共楽美術館は完成していたかもしれない。
1万点を超える松方コレクションだったら
世界に誇れる美術館ができていたかもしれません。
イギリスを代表する画家のひとり
ブラングィンが描いた
共楽美術館のデザイン画を観ながら
考えずにはいられませんでした。
Ⅰ.ロンドン 1916-1918
しょっぱなお目見えしたモネの≪睡蓮≫で
テンション高めに始まった松方コレクション展。
さらにワクワクするような仕掛けとなっていました♪
普段と違う絵画の展示方法にびっくり。
普通だったら、絵画一枚一枚がほどよい距離をとって
展示されていますよね。
ところが、ここでは壁いっぱいに
絵画が縦横に密着して展示されているんです。
19世紀から20世紀初頭の
ヨーロッパの美術館を再現した
展示方法なんですって。
初めて見る展示の仕方にさらに興奮。
思わずカメラにおさめてしまいたくなる部屋でした。
(撮影不可ですが・・・)
ただ、混雑している時はやっぱり不便です。
上下に展示している場合だと
普段は絵画1枚分のスペースに
2枚展示してるということなので、
一カ所に人が密集しやすくなるんですよね。
ということはありましたけど、
なんだか100年前のヨーロッパに
タイムスリップした気持ちで回ることができました。
Ⅱ.第一次世界大戦と松方コレクション
松方幸次郎が西洋美術を収集し始めた
1916年頃のヨーロッパは第一次世界大戦中でした。
戦時中の日本でもそうでしたが、
戦争を題材にした作品が多く見られます。
Ⅲ.海と船
通路が他よりも狭いのでご注意を。
ドービニー≪ヴィレールヴィルの海岸、日没≫
が好き。
Ⅳ.ベネディットとロダン
松方幸次郎は西洋美術館を設立するために
ロダンの作品を手に入れようと動きます。
そこでキーパーソンとなるのがベネディットです。
ベネディットはロダン美術館の実質的館長。
国からあまり補助金がおりなかった
ロダン美術館は金銭的に窮地に陥っていました。
それを助けたのが松方幸次郎です。
松方幸次郎はベネディットに
ロダン作品のブロンズ鋳造を発注。
ロダン作品は≪地獄の門≫をはじめ、
50点を超えていたそうです。
Ⅴ.パリ 1921-1922
ピエール=オーギュスト・ルノワール≪帽子の女≫1891
モネやゴッホをはじめ、ルノワール、
シニャック、セザンヌなどの作品はこちらです。
楽しみにしていたゴッホ≪アルルの寝室≫
も観ることができました。
≪アルルの寝室≫は8年前に
九州国立博物館で開催されたゴッホ展ぶり。
正確に言うと、8年前に観たのは
ゴッホ美術館所蔵の作品で
今回はオルセー美術館の作品なんですけどね。
残るはシカゴ美術館のみ。
いつかは会いに行きたい。
個人的に良かったのはポール・シニャックの作品。
彼が描く暖色系の点描画が好きなんですよ。
特別展ではシニャックの水彩画が展示されていました。
鉛筆で描かれた線にサッサと色付けされた絵。
点描画とはタッチがまるで違いましたが、
魅力ある作品でした。
シニャックの点描画と見比べると面白いですよ。
Ⅵ.ハンセン・コレクションの獲得
エドガー・ドガ≪マネとマネ夫人像≫
マネがソファーにふんぞり返っている様は
なんだかクスッってなっちゃう。
こんな一瞬を切り取って描くのは
ドガらしいですよね。
Ⅶ.北方への旅
ムンク≪雪の中の労働者たち≫
が見ごたえあり。
よく見ると労働者の顔がめっちゃ雑なんすけど。
個人的には怖いようで面白さを感じる絵です。
Ⅷ.第二次世界大戦と松方コレクション
松方幸次郎が1916年から10年という短期間で
収集したコレクションは1万点以上。
ところが、1927年以降、松方コレクションは
昭和の金融恐慌や第二次世界大戦によって
国内外に散逸してしまいます。
松方コレクションの行方については
こちらの記事をご覧ください。
エピローグ
最後は世界初公開となるモネ《睡蓮、柳の反映》。
松方幸次郎がモネから直接譲り受けた
作品の一つだったのですが、
ずっと行方知れずだったそうです。
それがなんと、
2016年にルーヴル美術館で発見され
半世紀以上の時を超えて日本へ戻ってきました。
モネの「幻の睡蓮」。修復後、初公開!
モネ《睡蓮、柳の反映》。こちらも松方がモネを訪問し、直接購入した作品です。
長らく行方不明でしたが、2016年に上半分が失われた状態で発見されました。現存部分の修復後、本展で初めて公開されます。#松方展 #国立西洋美術館 #モネ #睡蓮 pic.twitter.com/4b3bDEdCjz— 松方コレクション展 (@matsukata2019) 2019年5月3日
残念ながら、欠損がひどかったため
カンヴァスの上半分は失われてしまっていますが、
1年の修復作業を経て松方コレクション展の
最後を飾る作品となっています。
松方コレクション展では160点もの作品が
展示されています。
お目当ての作品、お気に入りの作品を見つけてくださいね。
※今回掲載している写真は
以前に常設展で撮影したものです。
今回は撮影不可でした。
【松方コレクション展】で購入したグッズ
特別展で楽しみなのは
やっぱり、グッズ売場ですよねぇ。
今回、キジトラが購入した
松方コレクション展のグッズを紹介します♪
「睡蓮」エコバッグ
キジトラは観覧券とポーチがセットになった
チケットを購入していました。
収納ポーチ付きなので、コンパクトに持ち運べます。
神戸風月堂ミニゴーフルの2缶セット
モネの≪睡蓮≫
ゴッホ≪アルルの寝室≫
ゴーフルもとっても美味しかったです。
お土産にもおすすめですよ♪
もちろん、今回の図録もゲットしました。
なかなかのボリュームです。
展覧会の後、さらに遊びに行くよ!という方は
持ち歩きにご注意くださいね。
グッズ売場には他にも素敵なグッズがたくさん!
さらに嬉しいことに、
西洋美術館を入ってすぐの場所に
グッズ売場が設置されているので、
チケットを持っていなくても
好きにショッピングできますよ。
松方コレクション展のオリジナルグッズは
松方コレクション展特設サイト で確認できます。
【松方コレクション展】まとめ
東京・上野の国立西洋美術館で開催中の
松方コレクション展へ実際に行ってみて
混雑具合や見どころ、感想などをまとめてみました。
キジトラが行ったのは平日のお昼時。
ラッキーなことにあまり混雑することなく
松方コレクション展を楽しむことができました。
現在、私たちは当たり前のように
西洋美術に触れていますが、
100年前の日本では当たり前ではなかったんですよね。
日本の人々に
特に西洋絵画を学ぶ学生たちに
本物の西洋美術を紹介したいという思いから
私財を投じて西洋美術の収集を始めた松方幸次郎。
わずか10年で集めたコレクションは
1万点を超えていました。
そのうち、西洋美術は3千点。
結局、松方幸次郎が構想していた
美術館設立の夢は叶うことなく
松方コレクションは
バラバラになってしまったけれど
このコレクションがあったからこそ
今の西洋美術館は存在しているんですよね。
松方コレクション展は
絵画や彫刻作品をただ観るだけではなく、
松方コレクションの生い立ちや別れ、
そして100年の時を経て再会するという
まるで一本の映画を観るような感覚の展覧会でした。
夏休み期間中はたくさんの来場者で
混雑が予想されますが、
とても素敵な展覧会ですので、
興味がある方はぜひお立ち寄りください。
松方コレクション展は9月23日(月・祝)までの開催です。
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♪ヾ(*ΦωΦ)/